脱力

もう行かなくなってしまったけれど、東洋哲学の真髄を体得したいなどと意気込んで通い始めた中国武術の教室では、参加するたびに力が入りすぎて体が固くなってると言われた。力を抜く事で強くなり、強くなるほど体は柔らかくなるという話が本当に魅力的だった。日常生活において、常に肩に力の入るような思いは、自分の 思い通りにしたいという欲の表れかとも思う。人を競争相手と見なせば肩に力が入るけれど、人の哀しみに目をやれば力 が抜ける。本当に強い人は、哀しみを知る人か。