夏の炎天、セミが鳴いて入道雲が明るく光るような空を見ると、用もないのに外に出たくて仕方ない。木も草も繁殖しまくり、このまま秋が来なければ熱帯雨林が出来るという蒸し暑い日本の夏を、好きというか惜しんでる。一年中この気候で暮らすのはゴメンでも、たった2,3ヶ月で過ぎてしまうのは惜しくてならない。少しでも長く夏の気分に浸っていたいのに、またたく間に空は高くなり、虫の声やススキの穂が目立ち始めて夏は終わってしまう。
子供の頃の夏は長かったし、一日もゆっくり過ぎた。お盆過ぎの今頃あたりから宿題の心配が頭をかすめるようになり、最後の最後になって、自由研究は一日でも何とかできる朝顔マツバボタンの開花状況で毎年お茶を濁した。工作で卵の殻のモザイク画に挑戦したときは、見かねた母がほとんど作ってくれた。昔の子供は、今より宿題が多かったかもしれないね。何かのエッセイで子供を育てることは、もう一度子供時代をやり直すことだと読んだことがある。子供を生まなかったけど、そういう楽しさは親となった大人の中にきっとあるだろナ。